ご報告

2024年度 経団連自然保護基金 プロジェクト

UNIMAS大学と共同での動植物の生態調査をもとに

「コミュニティ・フォレストのエコ・ツーリズム開発」

Develop Eco-Tourism at Sabal area and its surrounding

through ecological survey of flora & fauna with UNIMAS and the native.

 

UNIMAS大学のエコツーツーリズム専攻の講師と大学生との

Nyelitak村のBuri山周辺のハイキング道開発と、Hiking Expedition (Trail Run改め)用の森林調査

(2024年6月26日~6月30日)

 

おかげさまで、2023年度の計画も予定通りに終了し、同プロジェクトの締めくくりの3年目になる2024年度は、UNIMAS大学のエコ・ツーリズム専攻の講師と大学生と共同で、ハイキング道の開発を軸に、この地域の広報の為の、サバル地区のエコツーリズムに関する展示会や、Hiking Expedition(Trail Run改め)の主催を行う計画です。

 

当初の予定では、Trail Runを計画していましたが、森の中を走るとなると、参加者もそれ相応の準備も必要ですし、その層はかなりアドベンチャー慣れした方に限られ、都市部からの一部の層の参加のみになる事が予想されます。また、このイベントの趣旨は、できるだけ多くの近隣の村人も参加してもらうこも主眼においているため、森の中のマラソンは、村人には難易度が高く、その参加が見込めないことから、UNIMAS大学のエコツーリズムの講師や大学生を案内者として、森に触れ合うということを主眼としたイベントの方が効果的と判断し、題して、Hiking Expeditionと内容を変更しています。こちらの方が、対外的な広報のみならず、村人にとっての近隣の森の価値の再認識を促すことが可能になると思います。

 

まずは、Nyelitak村近辺のBuri山周辺のハイキング道のルートの確定のために、そのルートを歩き、珍しい植物や昆虫、動物や鳥類の形跡などを見直し、初級者、中級者、上級者の3レベルに応じたルートを検討しました。初級者レベルは、2023年度の3月に小学生と行った道が基本となり、最終地点を、川に設け、そこに、簡単な屋根の休憩所を作る計画をしました。終着点の川から、別の道を作り、同じ道を戻るのではなく、周回コースを計画しています(1周で1時間ほどのコース)。中級者レベルは、別の出発地点からとなりますが、Buri山の中腹まで登り、インドネシアとの国境となるKelingkang山脈を一望できる場所に、展望台を建設し、こちらも、周回コースとするよう計画しました。上級者レベルは、Buri山の東橋の場所から入り、Buri山のJabanの滝(Hiking Expeditionの開催予定地)に行くルートを計画し、かなりハードなトレイル愛好者にも対応できるルートを検討しています。この上級者レベルは、車でのアクセスが不可能なため、今回、ドローンなどを飛ばして、まずは、位置関係や地勢などを確認した上で、再度、実際に歩いてみて、現実的なトレイルかを判断する必要があります。

 

さて、UNIMAS大学のエコツーリズム専攻の学生とDr. Qammil講師とともに、クチンを出発ですが、数日、町のものは食べれませんので、途中のスリアンで朝食です。ミージャワや、ソト・スープ、ロティチャナイなどのマレー料理ですが、最初の2つは、インドネシア起源の食べ物ですが、マレーシア側でも人気ですね。

 

途中で、サバル森林保護地区の植林地を訪問し、ここで行われる植林も、ツーリズムの一環であり、村の周辺のありとあらゆるものが、ツーリズムに繋げることができることを、認識してもらいました。

 

Nyelitak村到着後、まずは、宿泊所となる場所で、全員集合して、Dr. Qammil講師より、今回の調査の概略説明や、Nyelitak村の概略、この森林の特性などを、大学生に説明をしてもらいました。これから入る森で、どのような視点で、森や、動植物、昆虫、人々の暮らし、それに関係する自然などを理解するべきか、ということなどを指導をしてもらいました。

 

今回、この村に来たことのある学生は数名で、また中には、フィールドワークが初めての学生もいて、細かい指導も必要でしたが、逆に、この村で調査をしている大学院生とは異なる、新鮮な視点も重要かもしれません4WDの車で、森林の入り口へ移動しました。村からここまでのアプローチも検討材料ですが、村にホームステイして、特別に森へ行くという感じもよいかもしれません。

  

この森に何度も調査で足を踏み入れている大学院生は、大学生への指導と、データなどを集めます。GPSやドローンなどの機械を屈指して、データを残していきます。

  

林床から、中間層、そして林冠に至るまで、多様な植物を観察でき、また、その一部が、先住民族の生活に必要なものも多く、それらのいろんな可能性をつぶさに見ながら、ツーリズムの素材を見直し、一つ一つをデータとして、記録していきます。

  

キツツキの開けた穴や、野菜になるつる植物、樹木の同定の仕方やその樹木の有用性などを、Dr. Qammil氏が、その森の生態系の一つ一つを紐解いていき、これが大きなまとまりとなって、エコツーリズムの可能性を説明してくれました

   

特に、このBuri山には、珍しいヤシ科の植物が多く、ヤシ科(Arecaceae)の系統学の世界的権威で、英国キュー王立植物園の元ヤシ研究部長であるJohn Dransfield氏が、籐やヤシの調査に入り、新種のヤシを発見した山でその数種類は、この山の固有種だとのことです。

  

今回は、ツーリズムの知識豊富なエコ・ガイドのFABIAN氏も、同行してもらいましたので、実際のエコツアーさながらの調査でした。FABIAN氏は、1980年代後半より、エコ・ツーリズムに従事し、ラマナ川流域のイバン族のロングハウスのエコツアーを開発した立役者で、90年代には、水力発電ダム湖のバタンアイ湖の最奥地のイバン族の村のJingin村のエコロッジが、ツアーリズムの賞を受けるなどの経歴があります。

  

この川は、2023年度3月の小学生との環境教育で来た川ですが、少し開けた所に、屋根のある休憩所を建設予定で、その寸法なども測ってきました。今回は、この後、引き続き調査ですので、水浴びする学生はいませんでしたが、川に入りたさそうな学生が数名いました。マレーシアでは、海水浴より、川での水浴びを好みます。

  

引き続き、森の探索して、植物などを記録していきます。この小さな花は、すごく珍しく、Dr. Qammil氏も、初めて現物を見たそうですが、10年来調査に入っていても、そういうこともあるのですが、熱帯の奥深さを感じたものの、植物自体は、一般の人の目から見ると、地味ですね。

  

こちらも、珍しい水草ですが、学術的には興味深いものでしょうが、一般の人の理解にどうつなげるかということは、大きな課題です。

 

翌日以降、ドローンを多用するので、村に戻り、テスト飛行して、村やその周辺を飛ばしてみました。

 

今回は、文化人類学の大学院生を主導にしたグループは、森に行かず、村人20家族ほどから、ツーリズムに関する質問や、村人の生活と自然のつながりに関して、かなり多い質問をしてもらいましたが、2日間丸ごとかかり、この聞き取り調査に同行した数名の大学生は、森に行くことができず、残念そうでした。勇ましい、Dr. Qammil氏のイバン族の戦いのポーズ。

  

夜は、毎日、村長さんの家で、大学院生の3名を中心にして、 夜遅くまで、この森の可能性を議論していました。

  

村長さん宅で、朝食後、当日の動きを再確認していると、村人の同行者の一人がいないので、探していると、高級食材のテナガエビと、高級淡水魚のブトゥトゥ( Oxyeleotris marmorata) を捕まえて持って帰ってきてました。早朝から漁に出ていたようです。

 

 

聞き込み調査をもとに、GPSや地図を頼りにして、全員で相談した結果、Hiking Expeditionは、Buri山の東端にあるJabanの滝が良いという結論となり、また、Buri山のハイキング道の上級者向けのトレイルの目的地としての可能性もありますので、Jabanの滝を見に行きました。ただ、Buri山からのアクセスは未知数のため、次回の課題としながら、幹線道路から回り込んで、Jaong村から車で入り、まずは、目的地となるJabanの滝を目指しました。事前に電話連絡して、このJaong村の村長さんと待ち合わせしていたのですが、落ち合うことができなかったので(待合せ近辺の電話通信もできず)、入り口には、滝まで3kmの目印がありましたので、我々だけでこの目印を頼りにJabanの滝へと向かいました。

  

1か所、目印がない分岐点で、迷いましたが、GPSや、スマホの地図アプリなどを駆使して、何とか、その滝へ向かうことができました。

  

滝へ大分近くに来た急坂で、私たちの4WD通るのが憚れる場所がありましたので、そこから歩かないと行けない状態だったのですが、滝までの距離を測るため、ドローンを飛ばしてみましたら、かなり近いところまで来ているのが分かり、安心しました。ただ、 Hiking Expeditionでは、滝までの片道3㎞、往復(計6㎞)歩かないといけませんので、それ相応の心構えが必要でしょう。

  

ドローンを使い、空から撮影した滝の画像です。川の向こう側にも道があり、そこから、Nyelitak村へ繋がっていそうですが、次回の調査の際に、Nyelitak村からのアクセスも探索する予定です。

 

ドローンを飛ばした場所から、徒歩で15分ほどで、滝のそばに出ることができましたが、全体で言うと、2つの丘を登ってきたことになります。その一つの高い方の丘から、Kelingkang山脈(インドネシアとの国境)が望めます。山の向こうは、インドネシア(カリマンタン島)。

このJabanの滝は、若干緩やかな3段の滝ですが、幅もあり、かなり迫力があります。

     

そうこうしているうちに、落ち合う予定の村長さんが滝まで来てくれて、合流できましたので、今後の計画を説明します。

 

Jaong村の別の滝もあるということで、その近辺の別の村長さんにも聞き取り調査に行きました(この周辺には、6つの村があり、それぞれ村長さんがいます)。

  

今は、いろんな人が来て、フェイスブックや、Tik Tok、YouTubeなどを残しているので、この村長さんも、もう一つの滝を映像を交えて、説明してくれましたが、連続する滝になっている興味深い場所があり、それぞれの高さはそんなに高くないものの、滝の続く箇所がかなり長い距離のようで、そこのポイントへは、4WDでも、特別な仕様のタイヤでないといけないとのことでした。さらに、その川べりは、陸地が切り立った下にあるようで、紐か、スチール製の梯子で降りないといけないということでしたので、今回は、そこまで辿り着けませんでした。そのため、下流まで行き、ドローンを川沿いに飛ばして、滝の一部でも確認できればと挑戦してみましたが、丘陵地のため、ドローンとの電波の限界もあり、肝心の滝を映像に残すことはできませんでしたが、今後の可能性としては、この小さなBuri山の周りだけでも、これだけの素材があることを知ることが出来て、実りの多い調査となりました。

  

 

 

現段階での今後の計画は、下記の通りです。

 

まずは、3種類のハイキング道の未確定部分の確定、および、整備を行い、その宿泊や文化交流のために、Nyelitak村のホームステイの受入れ体制の確保です。すでに、文化観光省のホームステイ誘致を取り計らっている部署の方には依頼済みで、近日中には、ホームステイの講習なども行われる予定です。

 

 

Trail Run改め、Hiking Expeditionのルートに関しましては、下記の計画で進めたいと計画しております。現在、2024年10月5日(土)に開催予定です。

 

2024年 経団連自然環保護基金 「コミュニティ・フォレストのエコ・ツーリズム開発」 Nyelitak村のBuri山のハイキング道調査、および Hiking Expeditionの下見

期間:2024年6月26~30日

場所: NYALITAK村周辺の森林、および、JABANの滝(JAONG村)

責任者: Dr. Qammil Muzzammil

UNIMAS大学:

1.Ms. Glathycthcia 2. Mr. Achong  3. Ms. Esther 他 エコツーリズム専攻の大学生15名(計18名)

サバル地区:

Mr. Ragai  / Mr. Aziz / Mr. Spencir / Mr. John / Mr. Henry (Nyalitak村)

NPO担当:鍋嶋 / Alex Then

 

 

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