ご報告

2024年度 経団連自然保護基金 プロジェクト

UNIMAS大学と共同での動植物の生態調査をもとに

「コミュニティ・フォレストのエコ・ツーリズム開発」

Develop Eco-Tourism at Sabal area and its surrounding

through ecological survey of flora & fauna with UNIMAS and the native.

 

Nyelitak村のBuri山周辺のハイキング道開発のための調査

(2024年89日~810日)

 

前回のエコツーリズム専攻の学生との調査に基づき、Nyelitak村よりアプローチできるBuri山のハイキング道を実際に歩きながら、そのルーティングや、必要な設備、休憩小屋や展望小屋の建設場所等を検討しながら、UNIMAS大学のDr. Qammil講師と大学院生の主要メンバー4名と、Nyelitak村の村人と検討しました。

 

まず、最初に、村全体の給水ダムのある森へ向かいました。 

この給水ダムのおかげで、Nyelitak村全域での水問題は解決し、安定した水を利用できる環境になりました。

  

 

そのダムの周辺の森は、村人もアクセスが容易ではない事と、Buri山の縁にあり、急斜面のため、耕作の場所には不適切なため、逆に、良い森林が残されています。

また、給水用のダムが機能するには、水資源の貯留機能や水質浄化機能を維持するための森林やその土壌は重要な役割を担っていますので、その維持された森林は、ツーリズムとしても成立します。

ただ、森林としては、斜面の割には、熱帯雨林の特有なフタバガキ科の巨木やイチジクの仲間、着生植物、ショウガ科の植物などが多く、植物観察としても適していますが、その勾配が、急なため、ある程度の体力と熟練度が必要としないといけないと思われます。

  

 

さらに、進むと、Buri山の2番目のピークに行くことができますが、ツーリズム的には限定的なため、このトレイルを周回とする想定での一番高い(標高190m)この場所を折り返し地点として、別のルートで、滝の方へ降りていくというルートを計画しました。

この折り返し地点とした場所は、林床に開けたスペースがあるので、休憩小屋建設の候補としましたが、南側の木々の隙間から見える、Kelingkang山脈の壮大な景色が一望できないという欠点があります。

  

 

折り返し地点からは、さらに急な勾配の斜面を降りて戻りますが、専門家的には、かなり希少だとは思われるショウガ科の植物やヤシ科の植物があるものの、一般的な方がどう感じるかという点では、課題が多いです。珍しいラン(Acanthephippium javanicum)も咲いていましたが。

このトレイルは、距離や時間は短いものの、勾配が激しいので、上級者向けだと思われますが、下山の場所には、所々に、ロープを引き、結び目を適度な間隔で作り、降りやすくする必要があります。

 

 

約1時間30分ほどのトレッキングでしたが、給水ダムのある滝の場所へ戻ってきました。

ただ、この滝の下にダムがあるので、ここで水浴びなどする事は憚れますので、その清涼感と景色を楽しめる場所としては、最高な場所だと思われます。

ただ、実際歩いてみて、

 

 

その後、Wong Jabanへのルートの出発点まで車で行ってみましたが、大分午後も遅く、ここから歩いていくと戻れない時間帯でしたので、車で幹線道路から回って、Wong Jabanへ行ってみました。

Hiking Expeditionの道を通って行きましたが、ピークが2つあるのですが、天気が良いと、Kelingkang山脈はきれいですね。

 

 

Wong Jabanの滝

 

 

翌日は、野鳥観察なども可能で、展望できる場所のある森林に向かいました、その森林へのアプローチの場所は、小学生との環境教育でも利用した初級のコース入り口と、前日の給水ダムの熟練コースの入り口の中間部がその入り口になります。ただ、ここは、平地は、村人の小規模アブラヤシ農園や、斜面では、コショウ農園などがあるため、一部の学生よりツーリズム的ではないという意見も出ましたが、実際に森に入って歩くと、その前後に広がる森や、展望できる場所などを実際に見てみた感想としては、森とその周辺で暮らす人という意味では、自然と文化の総合的なツーリズムとしては成立するのではという印象を持ちました。

  

 

森へ入ってすぐの場所は、かなり昔に開拓された形跡のある古い二次林であるもの、林床の植物も多様なものが根付いており、着生植物なども豊富に見受けました。

   

 

程よいアップダウンで、初級者から上級者まで楽しめる森林散策が可能です。学術チームは、珍しいショウガ科の植物を見つけて、真剣に観察しています。

  

その昔、巨木であったであろう、希少なテツボクの切り株が残っています。また、胸高直径20cm位のテツボクの木も、その周辺にありましたので、少し前までは、この辺も、前人未踏の深い森であった事が想像できます。テツボクは、ボルネオ島でも最も固い木といえる種類で、先住民族の住居の重要な部分に使われてきましたが、その耐久性から、非常に長く利用できます。

一方で、その木の成長は、非常に遅く、1920年代に植えられたテツボクは、今も胸高直径が30㎝に至りません。

     

 

所々開けた場所などもありますが、程よい森林で、手付かずの原生林の面影を残す場所もありました。

  

 

緩やかに高度を上げていく森林でしたが、再度の展望できるポイントンへのアプローチは、若干、急な勾配の場所でしたが、ロープなどを利用して登りやすくすることで、子供から大人まで、幅広い層が利用的るトレイルだと思います。展望できる場所は、継続する斜面でしたが、展望小屋を作成可能な場所を数か所候補として検討しました。

斜面ですので、床部が張り出す感じのデッキ状で、屋根や椅子を設置する計画を立てました。

  

 

 

今回の調査で、4種類のトレイルの計画となりました。小学生との環境教育で利用した初級者コース(周回できるように戻るルートを検討必要あり)、中級者コース(展望台のコース)、給水用ダムの滝のある上級者コース、そして、Wong Jaban滝への超上級者コースです。

今年度の計画にある設備の建設に関しては、この調査で、中級者コースには、展望ポイントにデッキ状の「展望小屋」を、初級者コースには、折り返し地点の川のそばに、「休憩小屋」を建設することに決定し、その周辺の大まかな測量と、資材の購入場所やその調達手段、建設の体制なども、Nyelitak村の村長や村人と意見を交わし、検討しました。

なお、11~2月の雨季でも一番雨の多い12月後半~1月前半に、建設地の土壌などの状況を観察した上で、展望小屋や休憩小屋の基盤の部分の強度を検討した上で、1月後半位に開始する予定です。 

 

Trail Run改め、Hiking Expeditionの「2024 Wong Jaban Hiking Expedition」は、2024年10月5日(土)に開催確定となりました。

 

2024年7月14日に、Jaong村のJaong Jaya村の村長のAbudulahaman氏が、Jaong地区の全村長さん(計7村)との会合を開催して頂きましたので、趣旨説明、開催にあたっての準備に関することなどを相談し、各村の役割分担などもあらかた決めました。また、この地区担当の関係機関への許可等も、その後、順調に進めています。

 

 

 

2024年 経団連自然環保護基金 「コミュニティ・フォレストのエコ・ツーリズム開発」 Nyelitak村のBuri山のハイキング道開発のための調査

期間:2024年89~10日

場所: NYALITAK村周辺の森林、Wong Jabanの滝

責任者: Dr. Qammil Muzzammil

UNIMAS大学:

1.Ms. Glathycthcia 2. Mr. Awang Ahamad Zahid  3. Ms. Sabrina 4.

サバル地区:

Mr. Ragai  / Mr. Aziz / Mr. Bill / Mr. John / Mr. Henry (Nyalitak村)

NPO担当:鍋嶋 / Alex Then

 

2024年 経団連自然環保護基金 「コミュニティ・フォレストのエコ・ツーリズム開発」 Kpg Jaong 村全村長との「2024 Wong Jaban Hiking Expedition」に関する会合

期間:2024年714日

場所: Kpg Jaong Jaya 村

1. KK Abdulahman  2. KK Chuang . KK David  4. Mr. Gansol  & Mr. Asan 6. TR Manah 6. TR Basat  7. TR Merong  

Advisor : Mr. Fabian
NPO担当: 鍋嶋 / Alex Then

 

 

 

 

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