ご 報 告 

横浜ゴム株式会社様/YOKOHAMAまごころ基金」のご支援による植林活動

2024930日()~109()

サバル森林保護地区

(ボルネオ島/マレーシア・サラワク州・シムンジャン)

 

 

 

 

この度は、当団体へのご支援頂きまして、大変ありがとうございました。

2024930日~109日の期間で、植林活動が完了致しましたので、ご報告をさせて頂きます。

 

今回の植林の場所は、、マレーシアのボルネオ島側のサラワク州の州都クチンより、南東120㎞に位置する、シムンジャン地区のサバル森林保護地区にて植林活動を行いました。

インドネシアとの国境にあたる山脈近くのサバル森林保護地区は、インドネシア側の未開の原生林と連結する、鳥類や野生動物、植生の重要な森林帯となります。

 

インドネシア側の最奥地で、開発の困難な地域が故の原生林と、道路等の整備の行き届いたマレーシア側のこの地域は、開発や開墾が多く見受けます。

 

そのサバル森林保護地区の周辺には、代々、先住民族イバン族の人々が暮らしています。

今回の植林は、10日間で、その先住民族イバン族の村人10名に参加して頂き、植林が必要な二次林の2ha(800)に、在来種の植林を行いました。

サバル森林保護地区とその背景  

今回植林した場所( 1°04'55.1"N 110°55'59.3"E / https://maps.app.goo.gl/zUQqXU9qdkG4R4Rs6 

 

サバル森林保護地区は、マレーシア成立(1963)以前の英国白人王統治のサラワク王国時代(18411941)から、森林保護地区(総面積-2,613ha)として制定されたものの(1927年に制定)、先住民族の土地の慣習法に則った、その一部を所有する先住民族の村人や、それを買収した企業などが、開拓や開発、農地転換、伐採等をした為に、ほとんどの森林が二次林と化して、

現在に至りました。

 

サラワク州政府では、その森林保護地区の森林再生のための一環として、1980年代後半には、一部の森林で、早生樹種の商業植林(Acacia Mangium)の地区を設置したり(土壌改良にも繋がる樹種)1995年には、サラワク州森林局のアグロフォレストリ―・センターが設置され、近隣先住民族に森林農作物による、雇用と収入の促進を目的に、森林内での農業を推進してきました。同時期に、サラワク州森林局主導で、熱帯雨林の在来種の植林が始まり、二次林を、本来の熱帯雨林の森林に再生するための植林が行われてきました。

  

当団体は、1996年より、任意団体として、教育旅行の学校やCSR活動をする企業や自治体のご支援を受け、当地での植林に携わってきましたが、2008年のNPO承認の後は、経団連自然環境保護基金などのご支援などを受ける事で、植林活動を拡張継続してきました。20243月の段階では、800haの二次林に、約365,000本の在来種の植林を達成しましたが、未だ植林が必要な場所は、森林保護地区の面積の半分以上あるため、植林活動継続の必要があり、さらには、植林後約15年前後の期間は、蔓など処理や、下草刈りなどの維持活動が必要となります。木を植える事は、開始点であり、それ以降の維持活動も、この植林活動の作業の中で、より重要な位置を占めます。

 

 

 

<今回の植林活動のご報告> 2024930日~109日(10日間)

 

1. 植林地の整地と整備、植林用のライン作成作業 (2024930日~102)

植林が必要な二次林の場所は、木が低く、シダや蔓、草などが多いため、植林用のラインを想定しながら、整備と整地をしていきます。

  

 

その後、左右前後5m間隔の植林のためのラインを確保し、5m毎に目印の棒を立てていきます。  

   

整地後のラインの状態です。5m間隔で植えていく、下地が完成です。

    

 

2. 苗木の入手、運搬作業(202410月3日~6)

サラワク州森林局の苗木センターから、苗木を購入し、車両にて植林地へ運びます。片道30分前後ですが、苗木保護のために、荷台に整然と並べる必要があります。今回は、2種類の在来種を植えます。

植林現場の方に運搬します。1回当たり、150本程度しか運べませんので、6往復必要となります。

  

 

植林地では、植林作業の基点となる場所に苗木をまとめて、正確な数を把握します。   

  

 

翌日、植林の目印のポイントまで、運んでいきます。まずは、基点の近場は、手に持てるだけ(34苗)を運びます。

  

 

両手で運べる場所は、ごく一部で、大半の苗木は、68苗木を背負子に入れて、両手は持てるだけ(合計10苗木前後)をポイントまで運びます。徐々に距離も伸びていきますので、この作業が一番大変だと村人は語ります。

 

  

3. 植林作業(2024107日~9)

苗木専用の穴掘り具で、地面に穴を掘って、苗木のプラスチックのポット容器を外して、植えこんで、土を踏み均します。

緩効性の肥料を、苗木から半径25㎝より外側に撒きます。

21組となって、苗木専用の穴掘り具で、ポイントに穴を掘る作業を行います。

     

穴が出来ると、苗木のプラスチックのポット容器を外して、苗木を植えこんでいきます。

隙間の無いように穴に、土をぎっしり入れて、最後に、土を踏みつけて、均します。

    

   

植えこんだばかりの苗木。数か月後は、周りの草なども増えてくるので、来年早々、下草刈りなどの維持活動を行います。

まだまだ、小さいですが、56年もすれば、身長より高くなります。

 

Dryobalanops beccari                                      

Shorea macrophylla                 

 

緩効性の肥料を、苗木の周囲の半径25cmより外側に撒いていきます。あまり近いと苗木が枯れてしまったりしますし、緩効性ですので、多少多めでも、距離を保てば、長くその効果が続きます。

 

 

4. 植林完了、看板前で、近隣に代々暮らす先住民族イバン族の10名と集合写真

  

 

植林は、終了しましたが、彼らにとっては、終わりではありません。これからが長い道のりの始まりです。

少なくとも、今後15年は、維持活動を継続していかなければなりません。

ご支援金額

横浜ゴム株式会社様 マッチング                                298,500

横浜ゴム株式会社様 「YOKOHAMAまごころ基金」       298,500

                                                 合 計            597,000

 

横浜ゴム株式会社様/YOKOHAMAまごころ基金」のご支援による植林活動

 

場所              サバル森林保護地区

日時              2024930日~10月9日(10日間)

植林地面積     : 2 ha

植林本数        :  800

植林樹種        :  1. Dryobalanops beccari       (現地名:Kapur Bukit              400本 

                     フタバガキ科リュウノウジュの仲間         

                     2. Shorea macrophylla           (現地名: Engkabang Jantung       400本 

                            フタバガキ科サラノキの仲間

                   

サバル村          : Mr. Eklin Empati / Mr. Bagong Bundan / Mr. Ragai Manju  /  Mr. Masan Buyong /

                           Mr. John Lading /  Mr. Lanyau Ganyon /  Mr. Jackie Enturan  /   Mr. Judas Julias /

                           Mr. Subong Buyong / Mr. Michael Anthony

  

NPO担当         酒井 /  Then Yin Siong  / 鍋嶋  

 

 

 

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