ご報告
コーヒー生産者組合構築プロジェクト
(2019-2021年度 経団連自然保護基金のご支援によるプロジェクトのその後)
2025年1月6日~2月7日
第1回目の本格的な収穫作業~乾燥~生豆精製
経団連自然環保護基金のコーヒー生産者組合の構築の助成金を頂いた2019年から早6年。 初年度の第1回農園に植え込み(2020年1月)から、丸5年。
当農園で最初の花を咲かしたのが、2022年3月。その後、2023年7月頃、果実はそこそこできたものの、赤く完熟するまで待とうとしているうちに、サルやリスに食べられてしまい、残念な思いをしましたが、その後、2024年初頭に咲きだした花々が、やっと果実をならせ、2025年1月初頭に、第1回目の収穫をすることが出来ました。
ただ、第1回で植え付けた1200本のコーヒーの木のうち、1割位は、枯れたり、大きくなることができない木もありましたが、この場所が斜面にある関係で、丘の上の方がそのような結果になっているので、肥料不足が否めませんので、今後の課題の一つとして学べました。
昨今のコーヒー豆不足の影響で、コーヒー豆の相場も上がりつつあり、クチン市内にある焙煎をして、コーヒーを出している専門店も、このローカルのコーヒー豆は期待されていますので、その価値も上がっています。2020年の段階では、コーヒー豆の生豆の単価が、RM12~20/1kg位の単価でしたが、今では、RM25~40/1kgとの事で、村人も期待でき、双方にとって良い状況だと思います。
生豆を取り出した後に残る、乾燥した果実の果皮は、カスカラ茶としても利用できますので、それも、コーヒー専門店に引き取ってもらう予定です。こちらは、RM 20-30/1kgとの事ですが、コーヒー豆に比べ、需要が多くないので、沢山引き取ってくれないかもしれませんが、今後に期待です。
2025年
2024年3月頃の結実してから間もなくと、雨季に入る前の2024年11月頃に、草刈りなどをして整備しましたので、見渡しの非常に良い農園に維持できているかと思います。
まだ、完熟していない果実もありますが、まずは、赤く熟した果実だけを選んで、収穫していきます。
これから、段階的に熟していきますので、適度に見守り、1週間おき位に収穫をして、順次、乾燥作業を行います。
今日1日の収穫量は、この5ℓ のペンキの容器一敗となりましたが、果実の重量としては、18kg位となりました。2021年度(2022年2月17~24日)の換算で言うと、40kgの果実から、3.4kgのコーヒー生豆が生成できましたので、この比率で計算すると、この1日の収穫分だけで、約1.5kgの生豆が出来る見込みとなります。一番高い単価のRM40/1kgとしても、RM60ですが、1日の日当より少し高い位ですので、もう少し収穫が必要だと思います。
この赤い熟した果実を洗浄後、約3週間~1カ月、天日で乾燥しないといけませんので、時間と手間暇がかかりますが、そこまで重労働ではない所がポイントです。
その後、今年のサラワクは、1月29日前後に、サラワク中で洪水が起こったりと、1月中旬から雨が多く、曇り空が続き、天候には恵まれませんでしたが、何とか、2月7日に、乾燥したコーヒーの生豆を2.5kg出荷する事が出来ました。今、収穫している、1000本以上あるコーヒー農園では、まだまだ、沢山の実が、完熟を待っている状態のようですので、今後に期待です。
今回は、IKIN氏の奥様が、随分昔、農業省の指導で教えられた、果実を収穫後、すぐに潰して、乾燥させる「ウォッシュド・プロセス(ウェット・プロセス」でされたので、果肉の部分のカスカラ部が腐食してしまい、出荷できませんでしたので、今後は、先のプロジェクトでも指導した、果実をそのまま乾燥させる「ナチュラル・プロセス(ドライ・プロセス)」でやるように相談しました。その果皮の部分が、カスカラ茶の原料としても、収入となり得ます。
収穫後、果実をつぶして、豆と、果実を分けて、乾燥させます。果実の分は、漬けておくと酵素となりますので、豆をつけておくと、酵素の働きでよい生豆ができるそうです。
天日で、乾燥させますが、時期が悪く、天候に恵まれませんでしたものの、乾燥できています。生豆にパーチメントの殻がついたままですが、いくつか開けてみると、品質的には問題ないようです。
ただ、このウォッシュド・プロセスからできた果実の部分は、カスカラ茶の原料になるかは、もう少し、完全に乾燥させる必要がありますので、もう少し待ってみようかと思います。
パーチメントの殻付きの重量は、3.5kg弱でしたので、仕入れ業者が購入してくれるのは、パーチメントの殻無しのものですので、おそらくは、2kg前後になると思います(後日談:結果、2.5kgありました)。
その第1回の生産は、収穫した果実の総重量約30kgから、結果、約2.5kgの生豆生産を行い、クチンのコーヒー専門店に、生豆RM 30/1kg x 2.5kg (合計 RM 75)を、村人が、今回の作業で得る事が出来ました。
村人にとって、時間と労力に見合った所得となったかは、はっきりとわかりませんでしたが、それでも、現金を手にした村人は、一入嬉しそうでし、農園の果実の出来を頭に描いて、喜ばしい笑顔をしていたので、肯定的にとらえるべきでしょう。
害獣の話を村人としましたら、どうも、サルは、今回、来ていないようで、前回の果実のシーズンにサルが来たのは、興味だけだったようで、果実が取られたり、枝が折られたりされましたが、今回は、全く、影響がなかったので、サル様にとっては、美味しい食べ物で無かったのかもしれませんが、リスが齧っているのでは、と思われる感じの果実もありましたので、予断は許されません。
少し、間をおいて、2月3日頃にも、収穫作業をしました。まだまだ、沢山の果実が完熟を待っている感じです。この木々にとって、2度目の果実となりますが、これからどんどん収穫量が増えてくることを望みます。
現在、コーヒーの木の苗畑センターにある、コーヒーの苗木は、喜ばしいことに、すべて、村中の興味ある人に配布済みで、もう残っていません。数年後に期待しましょう。
プロジェクト活動期間中に(2021年度後半)、スリアンのTARATにある農業試験場で頂いた、Liberica種の良い品種の、苗木用の果実を育てるための木を植えましたが、その木が沢山の実をならしていますので、苗木育成を再開したいと村人から相談を受けました。まだ、果実が青いので、完熟を待って、苗木育成を再開したいと思います。
沢山の実を生らしています。少し、見えにくいかもしれません。
また、このコーヒーの価値が、良い意味で、村中に広まり、少しでも多くの人が、未使用の土地に少しづつ植える事で、少しでも収入が増える事を期待したいです。
2025年2月14日 焙煎テストと試飲
早速、出荷先の喫茶店のコーヒー焙煎所で、出荷した生豆をテスト焙煎してもらい、試飲をさせてもらいました。
大きめの粒を100g分を選別して、手編み焙煎で、1ハゼ後すぐの12分弱の、ミディアム・ローストでテストです。2/11に焙煎して、少しなじませて、3日目に試飲です。
100g 分の生豆から、焙煎後の重量が、78gですので、水分含有率が22%と単純計算できますが、一般的には、12%前後が品質保持のためにも良いとの事で、乾燥がもう少し必要ですね。
コーヒーの弾き方は、中細挽きで、基準としてましたが、焙煎後の豆も、フルーティーさを残しつつ、コーヒーの良い香りで充満し、挽いた後は、さらわに、喫茶店の香りが強まります。
さて、ドリップで入ましたが、泡立ちも良く、安定しています。香りは強いですが、若干、まろやか過ぎる感じがあるので、もう少し、焙煎を2ハゼ直前まで持ってきても良いかもという話になりました。
まだまだ、初回の僅かな分量の中の一部ですので、まずは、サラワク産のコーヒー豆を、他のロブスタなどとブレンドした、この店で通称、" Harmony"と呼んでいる、ハウス・ブレンドがありますので、それに利用してくれるとの事でした。
このSabalのコーヒー豆が、安定して、単体で販売できる品質に届くように、 見守っていきたいと思いますので、ご声援のほどよろしくお願いいたします。
つづく。。。。。。。。
コーヒー生産者組合構築プロジェクト Kpg. Sabal村のコーヒー農園で、第1回の収穫作業、及び、生豆精製作業
(2019-2021年度 経団連自然保護基金のご支援によるプロジェクトのその後)
期間:2025年1月6日~2月7日
場所:サバル・クルイン村
責任者: Mr. Chang Jong Yiaw
NPO担当:鍋嶋 / Alex Then Yin Siong
Sabal Kruing 村
Mr. Ekin Empati (対象家族1代表者)/ Mr. Ragai Maju (対象家族2代表者)/ Mr. Nyandang Wednesday (対象家族3代表者)
Mr.Bagon Bundan (対象家族4代表者)/
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